
企業経営者は孤独といわれます。実際には,多くの友人,従業員,家族が周りにいるにもかかわらず,孤独と感じてしまうのは,会社の窮状をありのままに打ち明けて相談できる良き相談相手がいないからなのでしょう。
私は,その孤独な経営者をトータルでサポートするためにこのサイトを立ち上げました。
弁護士のところに相談に来られる企業経営者も,ご自分が聞きたいことだけ断片的に質問して,会社経営にとってもっと重要な根本的な問題点は胸の奥にしまったままのことが多いように感じます。
また,「弁護士は経営を知らない。」と言われることがあります。それは,弁護士の側でも思っているところで,企業経営の細部にまで踏み込んだ勉強をしたことがないので,自信を持ってアドバイスできない。そうなると,企業の経営に関連する法律相談があったときも,経営の根幹部分にまでは踏み込まず,とりあえず聞かれたことについてだけ答えておくという姿勢があったことは事実です。その結果,相談を受けた点については何とか解決したけれども経営の根幹の問題は未解決のままで残ってしまい,何年か経ってどうにもならなくなるという事態になるわけです。
多くの企業では,裁判などの法的紛争として顕在化することはあまり多くないかもしれませんが。通常の営業上の売買や,商品開発に伴う知的財産権の管理,後継者問題や従業員問題,業務遂行上発生してしまった事故の解決など,これらは全て法律が絡む問題であり,企業経営にとって,法律上の問題を抱えるのは,活発な企業活動を行っていればむしろ当然のことです。個人にとっては法的問題と向き合わなければならないのは病理的な状態であり,できれば避けたいというのは人情として当然でしょうが,企業活動を行っていれば,法律問題と向き合わずにまともな企業活動を行うことは無理です。その意味で,企業活動にとって法的問題と向き合うことは生理的な当たり前のことなのです。
多くの経営者は,経験上,法的な問題にならないやり方を身につけているために,弁護士との接点を持つ必要がなかったかもしれませんが,実は,経営者が自覚的に考えている法的トラブルを解決するだけが弁護士の仕事ではありません。債権の回収や契約締結交渉などの,これまでも弁護士が企業法務の一分野として取り組んできた分野もあれば,会社の後継者問題のように,様々な観点から総合的に判断して処理しなければならない問題まで,弁護士が関与できる分野は非常に広い範囲にわたっています。
とはいっても,多くの経営者にとって,そんなことを考えられるのは業績が好調である程度利益の上がっているときのことであって,当面は利益が上がる活動に集中しなければならないので弁護士と付き合っている暇はないというのが実感だと思います。
実は,利益を上げることと,法的トラブルを未然に防いで損失を最小限に食い止めることは車の両輪であって,経営にとってどちらも欠かせないことなのですが,それでも利益を上げられなければ企業は生きていけないのですから,利益に意識が向くのは当然のことでしょう。
それでは,弁護士として,「自分は利益を上げるお手伝いはできないので何か困りごとが生じたら声をかけてください。」と言っているだけで良いのでしょうか。これまでの多くの弁護士の企業に対するスタンスはこのようなものだったと思いますが,それだけでは,弁護士の持っている力を十分に発揮しているとはいえないというのが私の問題意識でした。
私は,企業を儲けさせる仕事をしたいと思っています。その方法として考えているのは,自分が企業と企業を結び付けるジョイント役になるということです。現在の経済活動は,一つの企業が単独で完結するような活動をすることはまずありません。商品を仕入れて販売するということだけをとっても,製造業者,卸業者,流通業者,ネット販売であればWeb製作業者,クレジット会社など,多くの事業者の共同事業としてそれぞれの事業が形作られているわけです。そのそれぞれの事業者はそれぞれ独自に営業活動を行って取引相手を見つけるのですが,その取引がベストのマッチングなのかは,契約する段階では見分けがつきません。
また,画期的な製品を作っても販売ルートがないために利益を上げられない事業者にとって,その製品を販売してくれる事業者を見つけるのも難しいことです。仮に,よさそうな取引相手が見つかったときに,取引条件を詰める段階でお互いに自分の希望する条件を主張しすぎてうまくいかないことも少なくありません。
それぞれの企業が,自らの経営資源に不足している分を補いあえるビジネスパートナーを見つけられれば,お互いにWin-Winのパートナーシップを構築することも可能になります。
これらの場合に,客観的な立場でそれぞれにとって望ましいパートナーを見つけ出し,取引条件を決めるアドバイスをするような専門家はこれまでいなかったのではないでしょうか。